自閉症スペクトラム特性、子供の様々な感覚過敏の事例について

自閉症スペクトラムの子供の特性には目や耳等の感覚器官を通して受けた感覚を過敏に感じる感覚過敏、逆に感覚に著しい鈍感さがあることを感覚鈍麻(低反応)があります。
今回は自閉症スペクトラム特性の感覚過敏についてですが、事例については実際に自閉症スペクトラムだった方、子供さんを見ていた方にお聞きしたものを記載いたします。
子供によって自閉症スペクトラム特性の感覚過敏に違いがでる
感覚の種類や感度の強い・弱いは人それぞれで、聴覚が敏感でも触覚は大丈夫で触覚は敏感で匂いは気にならない子供もいます。
また同じ子供でも時間帯(午前は大丈夫でも午後はつらく)や場所によって感度が変化し、疲れや空腹、ストレス等があると感覚が過敏になりがちです。
自閉症スペクトラム特性の視覚過敏について
視覚過敏とは、視覚情報の処理が定型発達の方と違うため、目から入る光刺激を過剰に感じ、「目がチクチク」感じ、目が開けられないなどの困り感を感じる1つの感覚過敏。
疲労度がたまり、不安がつよくなることで視覚過敏症状のような特性が出やすくなる可能性もあります。
視覚過敏の事例
- 苦手ながらの服は着られない
- 蛍光灯が瞬くのが見える
- テレビやパソコンの画面がちかちかする
- 通常では見えない微量な光刺激が辛い
- たくさんの物の中から1つを見つけ出す事が苦手
- 人の顔が二次元のモザイク画のように見えたりする
- 白い紙に書かれた黒い文字のコントラストをきつく感じる
自閉症スペクトラム特性の触覚過敏について
触覚過敏とは、皮膚に触れる感覚に対する過敏性のことで、特定の素材を触るとストレスや不安を感じてしまうことです。
不安が強い時に特性が出やすいとも言われています。
触覚過敏の事例
- 靴に砂が入ることが不快で砂遊びや泥遊びなどが苦手。
- 「人に触られるのが不快」なため、急に触れられると過剰にびっくりする。
- 特定の服がチクチク感じすぎてしまうため着られない。
- 特定の感覚に触ることが苦手で保育園や幼稚園でのりをつかった活動は参加できない。
自閉症スペクトラム特性の圧覚過敏について
圧覚過敏とは、皮膚上の圧迫に対して感じる感覚過敏のことを言い、例えばギューッと抱きしめられる感覚が苦手なケースなどが考えられます。
軽く手を握られるだけでも、激痛に感じてしまう場合も。
圧覚過敏の事例
- お散歩の時にお友達と手をつなぐことが出来ない。(ギューッと握られる感覚が苦手なため)
- 赤ちゃんの時に保育士に抱きしめられる感覚がつらくて、なかなか泣き止めない
- 帽子をかぶると頭がひどく締め付けられるように感じる
- きつく抱きしめられる事で安心するという子供もいる
自閉症スペクトラム特性の聴覚過敏について
聴覚過敏は自閉症スペクトラムの方に多いといわれています。
聴覚過敏とは、特定の音刺激がその人が耐えきれないほど大きい音に感じるケースや、特定の音に過剰に反応。
特定の音がストレスとなり、「音が頭の中で反響する」ことにより疲労をためてしまう子供もいます。
聴覚過敏の事例
- 運動会でのピストルの音が苦手で、ストレスや疲弊で体調不良。
- 合唱コンクールでの歌声の大きさに気分を悪くし、保健室で待機。
- 大勢が一斉にしゃべっている場所を極度に嫌う。
- 周囲の音が大きすぎるためゲームセンターに行けない。
- 掃除時間に流れていた音楽のボリュームが大きすぎて、耳を押さえたまま動けない。
- 静かな場所でしか遊べず、友達付き合いが苦手。
自閉症スペクトラム特性の嗅覚過敏について
嗅覚過敏とは、特定のにおい刺激に敏感になるような感覚過敏のことをいいます。
例えば、多くの人が臭いと感じるごみのにおいを、より臭いと感じ頭痛や吐き気。
「接着剤や絵の具のにおいが、とても苦手で頭痛がする」、「他人の服の柔軟剤や洗剤のにおいが気になり不快」など。
嗅覚過敏の事例
- 匂いの違いで食欲低下
- 炊飯器のご飯の保温時間が長くなると、変な匂いがすると言って食べたがらない。
- おにぎりを食べている近くで家族がバナナを食べると、途端に食欲が低下。
自閉症スペクトラム特性の味覚過敏について
味覚過敏とは、味に感じる感覚過敏のことで、濃い味付けの食べ物や特定の風味(苦味、渋味)などをより感じやすく、食べるのが苦痛で、不快に感じてしまうケースがあります。
「偏食がとても多く、特定の触感や風味が苦手」、「調味料が全くないものでないと食べられない」など。
味覚過敏で起こる事例
- 食材の違いで左右される食欲
- いつもと違う玉子で目玉焼きやゆで卵を作ると、すぐに違う玉子と分かる。
- 出汁を作るとき、昆布と鰹節の割合を少し変えただけでも気付く。
- いつもの味と違うことで、少しでも美味しくないと感じたら、もう食べたがりません。
自閉症スペクトラム特性の平衡感覚不全について
平衡感覚とは、体のバランスを保つ際に使う感覚器官で、人の体の姿勢を保つ際に使う力、自律神経を調節する事にも関係。
平衡感覚不全になると、体の刺激や揺れに対して過剰に反応する場合や、逆に体の刺激を求めて自ら頭を揺らすケースが考えられます。
平衡感覚不全の事例
- 特定の揺れ刺激や動きが怖く、ブランコに乗れない、車酔いをしやすい
- 逆に揺れの刺激を求めすぎ、自らぐるぐる回る
- ぐるぐる回っても目が回りにくく、気持ち悪くならない子供もいる
- 姿勢が崩れたり、机に突っ伏してしまったりする


